敏感肌やアトピーの肌に見られる色素沈着ですが、これは、シミの原因としておなじみのメラニン色素が、角質層や真皮に沈着することによって起きます。
メラニン自体は褐色ですが、皮膚の炎症の赤みと合わさって、赤黒くなってしまいます。
さらに、敏感肌やアトピー肌は皮膚のターンオーバーの乱れから、はがれずに残った角質細胞が厚く積もるため、より肌が黒っぽく見えるのです。
ところでそのメラニンですが、角質層の下の基底層にある、メラノサイトというメラニンの工場で作られます。
このメラノサイトにメラニンを作る指示を出す物質があります。それがサイトカインやヒスタミン、MSH(メラニン細胞刺激ホルモン)と呼ばれる物質です。
敏感肌、アトピー肌は以下のような理由から普通の肌よりもサイトカインやヒスタミン、MSHが多く、メラニンが多量に作られるため、色素沈着を引き起こします。
●メラノサイトを刺激するサイトカイン、ヒスタミン、MSHが作られる原因
1.外部刺激(アレルゲンも含む)
敏感肌、アトピー肌は皮膚のバリア機能が低下しているため、外部からの刺激を受けやすくなっています。刺激を受けた肌はサイトカインやヒスタミンによって炎症やかゆみを引き起こします。
2.活性酸素(過酸化脂質)
皮膚の炎症を抑えるためにステロイド外用薬の使用を長期間続けると、皮膚に残留したステロイドが酸化によって過酸化脂質に変化します。
この際に生じる活性酸素が角質細胞を刺激して、サイトカインを放出させます。
3.副腎皮質機能低下
ステロイド外用薬の副作用として、副腎皮質の機能が低下することが知られていますが、副腎皮質機能が低下すると脳下垂体からMSHが多く分泌されます。
●色素沈着を防ぐ方法
1.炎症を抑え、外部刺激を防ぐ
ステロイド外用薬以外の方法で炎症を抑え、皮膚のバリア低下をセラミド入り保湿剤などで補うことで、サイトカインやヒスタミン遊離を防ぐことができます。
2.ステロイド外用薬の長期使用を避ける
特にアトピー性皮膚炎の方は、過酸化脂質による活性酸素発生と副腎皮質機能低下を防ぐために、ステロイドの長期使用を避けることが大切です。
それにより、サイトカイン、ヒスタミン、MSHの量を減らすことが可能です。
ただし、すでに副作用を生じている方が、ステロイド外用薬の使用を中止すると、多くの場合炎症が強くなり、サイトカイン、ヒスタミンの量が余計に増えますので、ステロイド以外の抗炎症成分の入った保湿剤や外用薬などで炎症を抑えながら、徐々に使用を中止するなどの措置が必要になります。
3.抗酸化成分の含まれた化粧品などを使う
過酸化脂質による活性酸素を除去するために、抗酸化作用のある成分を含んだ化粧品などを使うことで、サイトカインのメラノサイトへの刺激を防ぐことが期待できます。
強い抗酸化作用のある化粧品原料としては、以下のものが代表的です。
ビタミンAとその誘導体(レチノール等)
ビタミンCとその誘導体
ビタミンE(トコフェロール)
甘草フラボノイド(油溶性甘草エキス) など
次回は、一旦できてしまった色素沈着を薄くする方法を詳しくお伝えいたします。
アトピーや敏感肌の色素沈着は、メラニンを含んだ褐色の角質細胞が、ターンオーバーの乱れによりはがれ落ちず皮膚に厚く積もることによってより濃く見えます。
また、炎症の赤みと混ざって赤黒く見えることもあります。
さらに、炎症によって角質層と真皮の間の基底層に損傷を受けた場合は、通常角質層だけに存在するメラニンが真皮にまで落ち込んで青みがかった色になることもあります。
真皮に落ち込んだ色素沈着はスキンケアだけで対策することは難しく、形成外科や美容外科でレーザー治療などを行う必要があります。
しかし、角質層にとどまった色素沈着は、以下のような方法でうすくすることが可能です。
●色素沈着をうすく目立たなくさせる方法
1.炎症をなくし、赤みを消す
赤黒い色素沈着の赤い部分は炎症による赤みですので、まずはできるだけステロイド以外の方法で炎症を抑え、肌の赤みを取ることが色素沈着の色を赤黒く濃く見せないためには必要です。
2.メラニンを含んで厚く積もった不要な角質を排出させる
厚く積もった不要な角質細胞を取り去ってそれ以上積もらないようにするには、レチノール(ビタミンA)やAHA(フルーツ酸やグリコール酸)の含まれた化粧品を使うことで実現できます。
レチノールもAHAも不要な角質を取り去り、お肌のターンオーバーを正常化して、それ以上角質が厚く積もることを防ぎます。
ただし、AHAもレチノールも高濃度になると刺激を感じることがあるため、アトピー、敏感肌の方は刺激の出ないよう自分のお肌に合ったものを選ぶ必要があります。
3.油溶性ビタミンC誘導体の含まれた化粧品でメラニン自体をうすくさせる
メラニンを作らせない美白成分は沢山あるのですが、できてしまったメラニンをうすくすることができる美白成分はビタミンCとその誘導体だけになります。
ビタミンCは非常に壊れやすいため、化粧品には壊れにくくお肌に浸透してから徐々にビタミンCに変化していくビタミンC誘導体が配合されています。
ビタミンC誘導体には以下のように水溶性のものと油溶性のものがあります。
【水溶性ビタミンC誘導体】
リン酸L−アスコルビルマグネシウム
リン酸アスコルビルアミノプロピル
【油溶性ビタミンC誘導体】
テトラヘキシルデカン酸アスコルビル(VCIP)
水溶性のものは、高濃度で使用すると、刺激を起こしたり、肌を乾燥させやすくする欠点があります。
それに対して、油溶性ビタミンC誘導体は肌を乾燥させにくく、高濃度で使用してもお肌に刺激を起こしにくいという利点があります。
アトピー、敏感肌の方の色素沈着対策には油溶性ビタミンC誘導体の濃度の高い化粧品を使うことをおすすめいたします。
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ビタミンBというとリポビ○タンやユン○ル、リゲ○ンなど疲れたときの栄養補給ドリンクに入っている成分として有名ですね。
しかし、最近スキンケアの分野でもビタミンB群の効果が色々と解明されてきています。
ビタミンA(レチノール)やビタミンCは、シミ、シワ対策として有名ですが、ビタミンB群は、アトピーや乾燥性敏感肌にはとても大切な「皮膚のバリア機能」を正常にしたり、湿疹や皮膚炎になりにくい肌を保つ働きなどがあることがわかってきています。
そこで、今回から数回でビタミンB群がアトピーや敏感肌にどのように役に立つのかおはなししたいと思います。まず最初は「ビオチン」です。
ビオチンはビタミンB群に属しているビタミンで、ビタミンHとも呼ばれます。
ビオチンが不足すると
「皮膚がカサカサし、角質がポロポロはがれやすくなり、角質化が不完全になることで皮膚のバリアが低下します。」
また、最近の研究では、アトピー性皮膚炎の患者の血液中のビオチン濃度が、正常値の半分以下に低下していることが報告されています。
ビオチンは主に腸内細菌によって作られ、腸から吸収されます。そのため、腸内細菌のバランスが崩れた状態が続くとビオチンの欠乏が起きます。
さらに、乳児は腸内でビオチンを作る能力が弱いため、母乳からの摂取が必要ですが、粉ミルクやアレルギー調整乳などにはビオチンがほとんど含まれていないため、ビオチン欠乏になる可能性が高いそうです。
ビオチンは卵黄やレバー、いわしなどに含まれますが、食品として摂取すると、タンパク質のせいで腸から吸収しにくいため、サプリメントで摂取する方が効果的とのことです。
また、外用剤などで直接経皮吸収させても血液中のビオチン濃度を高めることができることが報告されているため、今後アトピー性皮膚炎の治療に応用されることが期待されています。
今回はビタミンB群の中でも、最近皮膚に有益な作用がどんどん見つかっている、ナイアシンアミドを取り上げたいと思います。
ナイアシンまたは、ナイアシンアミドは、ビタミンB3とも呼ばれ、水に溶けるビタミンです。食べ物としては、カツオ、レバー、米、しいたけ、落花生などに含まれています。
ナイアシンアミドが不足すると、肌荒れを起こしたり、粘膜がただれたり、ホルモン合成の低下などを招きます。
ナイアシンには近年の研究によって、皮膚に対して以下のような様々な作用があることがわかってきました。
1.セラミドを増やし、バリア機能を改善する
ナイアシンアミドを配合した保湿剤を1ヶ月間塗ったところ、ナイアシンアミドを含まないものに比べて、角質層中のセラミド量が30%増えて、皮膚の水分量も増加したという報告があります。
また、痒みを抑えたり、界面活性剤の刺激を防いだりする作用もあることがわかっています。
2.ニキビ改善
ニキビに悩む女性にナイアシンアミドの入った製剤を約6週間塗ったところ、ナイアシンアミドが入っていないものに比べニキビの数が明らかに少なくなったという報告があります。
これは、セラミドが増えたことにより、ターンオーバーが正常化して、古い角質が積もらなくなったことで、毛穴の詰まりを防いだことが理由と考えられています。
3.シミ、色素沈着を防ぐ
ナイアシンアミドを含んだ製剤を8週間使うことによって、シミが減少し、皮膚色が明るくなったという報告があります。
メラニンはメラノサイトという細胞で作られた後、メラノソームという袋に入れられ、お肌を作る細胞に受け渡されるのですが、ナイアシンアミドはこのメラノソームの働きを抑える作用があるため、シミや色素沈着を防ぐと考えられています。
アトピー性皮膚炎は、炎症を抑えることで、セラミドが作られる量を増やし、バリア機能を改善することが出来ますが、炎症がおさまった後に更にバリアを正常にするために、ナイアシンアミドの効果が期待できます。
また、アトピーの大きな悩みのひとつである、色素沈着を防ぐ作用があることからも、ナイアシンアミドは、アトピーのスキンケアにとても適した成分として期待できると考えています。
パンテノールという名前を聞いたことはありますでしょうか。一時期パンテノール配合を前面にコマーシャルを行っていた、シャンプー、トリートメントがありましたね。
今では、パンテノールはシャンプー、トリートメントの成分としてポピュラーになっていますが、これは頭皮の新陳代謝を活発にし、髪の毛を健やかにする効果があるからです。
パンテノールは、体内でパントテン酸(ビタミンB5)に変わります。パントテン酸は、納豆、レバー、魚類、卵などに含まれます。
皮膚に対する作用として、パンテノールは、表皮の細胞の代謝を活性化し、傷の治りを早くすることから、欧米では昔から火傷や傷薬の成分として使われてきました。
また、過酸化脂質を作るのを防いだり、副腎機能を改善して、体内でのステロイドホルモン産生を助けたり、保湿力があり、皮膚からの吸収も非常に良いのも特徴です。
そのため、最近になって、スキンケア化粧品への応用が見直されています。
副腎機能の改善や傷の治りを早くするというのは、炎症を抑えたり皮膚のバリア修復にもつながるため、アトピーや敏感肌のスキンケアにも最適な成分だと考えています。
ストレスを感じると肌が荒れたり、アトピーの症状が悪くなったりというのはなんとなく皆さん経験があるのではないでしょうか。
例えば、職場で強いストレスを感じたとき、家事や育児でストレスを感じているとき、学生の方ですと試験期間中など、このようなとき、肌の調子が急に悪くなったりしないでしょうか。
ストレスは万病の元とはいいますが、ストレスが原因で肌の調子が悪くなると聞いても、どうもスッキリ納得できないですよね。
しかし、実はストレスと肌の状態には、科学的な因果関係があるということが近年わかってきています。
それは、ストレスを受けると皮膚のバリア機能が低下するということです。
そのしくみは以下のとおりです。
まず、ストレスを感じたとき脳の下垂体前葉という場所から「副腎皮質刺激ホルモン」が分泌されます。
この副腎皮質刺激ホルモンによって副腎皮質が刺激され、「グルココルチコイド」というホルモンがつくられます。
このグルココルチコイドは表皮に存在している受容体にキャッチされます。
すると表皮細胞の電気的状態が変わります。この状態を「興奮」といいます。
表皮細胞は細胞内の「ラメラ顆粒」というツブツブからセラミドを含む「細胞間脂質」を放出することでバリア機能を形成するのですが、興奮した状態では、細胞間脂質の放出量が減ってしまいます。
このため、皮膚のバリア機能が低下するのです。
バリア機能が低下すると、乾燥が強くなったり、アレルゲンの進入によってアトピーの痒みや炎症が強くなったりします。
これが、ストレスによってお肌の状態が悪化する、ひとつの原因です。
そう考えると、ゆっくり入浴をしたり、アロマセラピーや好きな音楽でリラックスしたり、休みの日に出かけたりすることも、ストレス解消によってバリア機能を高める、立派なスキンケアといえるかもしれませんね。
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というご質問を最近多くいただきます。
そこで今回は、ステロイド外用薬から保湿剤への切り替え方について私なりの考え方をお話させていただきます。
まず、ステロイド外用薬ですが、いくつかの文献を調べると、おおむね1ヶ月以上の連続使用があれば、副腎機能抑制などの副作用が現れるとあります。
しかし、外用ステロイドの場合、内服ステロイドと異なり、使用を中止すれば、徐々に副腎抑制などの副作用は回復するともあります。
ただ、気を付ける必要があるのが、ステロイド外用薬の使用を中止すれば、副作用は回復していきますが、そのスピードが個人差があり一概には言えないですが、とてもゆっくりだということです。
そのため、ステロイド外用薬の使用を急に止めると、まだ副腎機能が抑制された状態ですので、炎症を抑える機能がまったくなくなり、強い炎症がでてしまうのです。
そこで、必要となるのが、
「ステロイド外用薬の使用を徐々に止める」
ということです。
この方法については、医学文献などを読むと、
「非ステロイド外用剤に切り替えるには、
炎症が再燃しないことを確認しながら、
徐々に塗る頻度を下げていったり、
ステロイド外用薬のレベルを下げていく必要がある。」
などと書かれています。
つまり、
「炎症を極力出さないようにバランスをとりながら、
ステロイドの使用量を徐々に減らし、
副腎機能を正常に戻していく。」
ということが必要になるのです。
実際、私も、レベルの異なるステロイドを3種類使って、この方法を実践したことがあります。
最初一番強いステロイドを1日2回塗り、しばらくして1日1回、2日1回にした後、低いランクのステロイドに切り替えて、また1日2回、1日1回・・・と。
最初はエッセンシャルオイルの含まれた保湿剤を使用していなかったので、徐々にステロイドを止めながら、2ヶ月ほどかけて、最後はワセリンだけを塗るようにしてステロイドの使用を中止しました。
しかし、徐々にに塗る頻度を下げると、どうしても炎症が復活してしまい、うまくいきませんでした。
その後、エッセンシャルオイルの入った保湿剤を作るようになってから、ワセリンの代わりに保湿剤使用し、最初からステロイドと併用しながら、再度この方法を試しました。
すると、エッセンシャルオイルの抗炎症力も手伝って、途中でほとんど炎症を出すことなく、ステロイド使用をやめることができました。
それからしばらくは保湿剤だけで強い炎症を出さずコントロールできていましたが、体調を崩した再に炎症が再発したため、再度ステロイドを使うことにしました。
しかし、そのとき、手元にレベルの違う複数のステロイドをそろえていなかったので、別の手段をとりました。
その方法は、十分に炎症が抑えられる強さのステロイドで炎症を抑えた後、ステロイド使用頻度やレベルを下げるのではなく、最初に使ったステロイドを、薬局で買った白色ワセリンで薄めて使用するという方法でした。
最初はステロイドをそのまま使い、1週間ほどで炎症を抑えた後、フタのついた広口のガラス容器にステロイドを入れ、そこに同量のワセリンを入れ2倍に薄めたものを塗りました。その間もエッセンシャルオイル入りの保湿剤は併用しました。
正確な日数は覚えていませんが、その後1、2週間おきに、4倍、8倍などとステロイドをワセリンで薄めたものに切り替え最終的に64倍まで薄めて最後はエッセンシャルオイル入りの保湿剤に切り替えました。
そして、この方法で、ステロイドの使用を止めて保湿剤だけにし、その後、エッセンシャルオイルの力だけに頼りながら、最終的には保湿剤を塗らなくても炎症が復活しないところまで持っていきました。
どちらの方法が良いかは正直わからないですが、ステロイドを薄める方法は私が勝手に自分の責任で行った方法で、医療文献などでは、ステロイドのレベルや使用頻度を変える方法が書かれています。
そのため、皮膚科でレベルの異なるステロイドをきちんと処方してくれる場合は、皮膚科医に相談しながら最初の方法でやられるのが良いのではと思います。
ステロイド外用薬は、副作用が怖いという理由から、今まで長期で使われてきた方が、急にスパッと使用を中止するケースが多く見受けられます。
しかし、いったんステロイド外用薬を長期間継続して使ってきてしまった場合は、ある日突然「もう絶対に使わない」というのではなく、「うまく止めるために、ステロイドにもうひと働きしてもらうことも必要なのでは」、というのが私の考えです。
]]>このホウセンカですが、観賞用だけではなく、漢方では、去風、活血、消炎、鎮痛、関節リウマチなどの治療に使われてきました。また、四国地方では、民間薬として古くから花びらの焼酎漬けがかゆみ止めとして使われるなどの歴史がありますが、科学的な裏づけなどがないことから、化粧品原料としては使われることはあまりありませんでした。
しかし、最近になって、武庫川女子大学薬学部の研究により、ホウセンカの白い花びらから
・抗アレルギー作用(抗かゆみ作用)
がある成分が見つかりました。
ひとつは「インパチエノール」という物質で、もうひとつは「バルサキノン」という物質です。
この両方とも抗アレルギー作用があるのですが、「インパチエノール」にはさらに
・美白作用
・抗菌作用
・育毛作用
があることも実験データとして証明されました。
そして、その後、抗アレルギー、美白、育毛作用に関しては、特許出願されています。
ホウセンカエキスの抗アレルギー作用の実験に関してですが、ホウセンカエキスを塗ったほうが、インパチエノール、バルサキノンを単体で塗るよりもかゆみ抑制効果が高いことが確認されています。
また、IgE抗体を作るのを抑える効果に関しては、塩酸エピナスチンという抗アレルギー薬と比較してホウセンカエキスのほうが高いことが実験データとして確認されています。
ホウセンカはとても身近ではありますが、このような秘めた力をもった頼もしい植物です。
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「エッセンシャルがお肌に合わないようなのですが、
というご質問を、稀にいただきますので、今回はその対策をお伝えしたいと思います。
ステロイドなどの薬に頼らず、アトピーのお肌を健やかに保つには、薬以外の方法で、お肌の炎症を抑え、皮膚のバリア機能を正常に持って行くことが大切だと考えています。
そのための方法のひとつとして、天然植物成分のエッセンシャルオイルや、それらが入った保湿化粧品をご利用になることをおすすめしているのですが、エッセンシャルオイルがお肌に合わないケースもまれにございます。
この場合、エッセンシャルオイルによるスキンケアをご利用になることは難しいのですが、ひとつだけ可能性が残されているので、それをお伝えしたいと思います。
一部のエッセンシャルオイルは強い抗炎症力がありますが、それらの力があるということは、裏返すと、お肌にある程度強い作用を与えるため、それが刺激となる場合がございます。
抗炎症力がお肌の刺激による影響よりも勝っている場合は、炎症が徐々に鎮まり、バリア機能向上によって、エッセンシャルオイルの刺激もより感じなくなっていきます。
しかし、お肌への刺激が勝ってしまう場合は、かぶれなどを起こすことがございます。
解決方法としては、一時的にステロイドを併用することがあげられます。
以前、ステロイド使用を中止するには、一時的にステロイドの力に頼る必要性があることをお伝えしましたが、今回のケースの場合、副作用の影響が出ない短期間の利用により、ステロイドで炎症を抑え、一時的にバリア機能を向上させることで、エッセンシャルオイルの刺激を抑えることが期待できます。
そして、エッセンシャルオイルの抗炎症力の助けを借りながら、徐々にステロイドを弱くしていき使用を中止することで、刺激と抗炎症のバランスをとりながら炎症を鎮めて行くことが可能です。
この方法を何度か試してもエッセンシャルオイルの刺激が勝ってしまう場合は、エッセンシャルオイルを使うことは断念せざるを得ないと思います。
それでは、エッセンシャルオイルが使えない場合、どのような対処法が考えられるでしょうか。
現時点でエッセンシャルオイルよりも炎症を抑えることのできる天然成分は、お目にかかったことがないのですが、抗炎症以外の方法でも、皮膚のバリア機能を正常に持っていくことで、アレルギーのかゆみと炎症を徐々に鎮めていく方法がいくつかあります。
そのひとつはビタミンBの利用です。
ビタミンB群には、
チアミン (ビタミンB1)
リボフラビン (ビタミンB2)
ナイアシン (ビタミンB3)
パントテン酸 (ビタミンB5)
ピリドキシン ( ビタミンB6)
コバラミン (ビタミンB12)
ビオチン (ビタミンH)
などがありますが、アトピーに有用な成分としては、「ビオチン」「パントテン酸」「ナイアシン」があげられます。
「ビオチン」は、最近ではアトピー性皮膚炎の治療にも使われるのでご存知かもしれませんが、欠乏すると肌が乾燥してバリア機能が低下します。
また「パントテン酸※」は、表皮の細胞の代謝を活性化し、傷の治りを早くすることから、欧米では昔から火傷や傷薬の成分として使われてきました。さらに、副腎の機能を助け、体本来の副腎皮質ホルモンの合成を促すという、アトピーには有用な作用があります。
最後に「ナイアシン※」ですが、近年の研究によって、肌に塗布することで角質層のセラミド量が増加する、ということがわかっています。また、痒みを抑えたり、界面活性剤の刺激を防いだりする作用もあることが、わかっています。
これらのビタミンB群をサプリメントで摂取したり、肌に塗布することで、肌細胞を活性化し、皮膚のバリア機能を向上させ、アレルギーによるかゆみや炎症を鎮め、ステロイド外用薬に頼らずに肌を健やかに保つことが期待できます。
エッセンシャルオイルがお肌に合わない方は、一度ビタミンBの摂取や化粧品での塗布をおすすめいたします。
※「パントテン酸」と「ナイアシン」は、化粧品ではそれぞれ「パンテノール」「ナイアシンアミド」という誘導体として配合されています。

なぜ、皮脂が少ないにもかかわらず、ニキビや吹き出物ができるのでしょうか。
その原因は、ターンオーバー(表皮の入れ替わり)の乱れから起きる角化異常によります。
アトピーの肌は乾燥し硬くなることで角質がはがれにくくなり、お肌の表面に積もった状態になることがあります。厚く積もった角質は、毛穴をふさいでしまうため、皮脂量が少なくても、毛穴に皮脂がたまりやすくなります。
毛穴に皮脂がたまると、皮脂を好むアクネ菌が繁殖し、赤く炎症を持ったニキビ状態になります。
お肌に積もった角質を取り除くには、AHA(アルファヒドロキシ酸)の配合された化粧品を使うことが一般的ですが、比較的刺激が強いため、アトピーのお肌ではお使いになれない場合がございます。
そこで、アトピーのニキビ、吹き出物ケアは以下のような方法で行うことをおすすめいたします。
●アトピーのニキビ、吹き出物のスキンケア方法
1.ニキビを悪化させない低刺激洗浄剤で肌を清潔に保つ
極力低刺激な洗浄剤や石けんで顔や体を清潔に保ちます。石けんに含まれるオレイン酸はニキビ悪化の原因となる場合がありますので、オレイン酸をできるだけカットした石けんを使うことをおすすめします。
また、メイクをする際は、メイクの残りが毛穴に残るとにきびが悪化しますので、お肌に刺激の少ないクレンジングでメイクを落としてから、低刺激石けんで汚れとクレンジングの残りをしっかり落とすようにします。
2.抗菌作用のある化粧水を肌の奥まで浸透させる
アクネ菌の繁殖を防ぐために、抗菌作用のある成分が含まれた化粧水をお肌の奥まで浸透させます。
抗菌作用のある成分は植物エキスに多く存在します。たとえば、カミツレ、ドクダミ、クララ(クジン)、ホウセンカなどには強い抗菌作用があります。
3.角化を正常にするために十分に保湿する
アトピーのニキビ、吹き出物は肌の乾燥による角化異常が大きな原因となるため、十分な保湿が必要になります。この際、油分の多いジェルやクリームなどを使うと毛穴にたまり、ニキビ、吹き出物が悪化する場合がありますので、できるだけ油分の少ないものを選ぶことをおすすめします。
さらに、角質層のセラミドを増やし角化異常を抑えることで、ニキビを改善する効果が認められている、ナイアシンアミド(ビタミンB3)の入った化粧品を使うことも効果的です。
このようなスキンケア方法によって、お肌に極力負担や刺激を与えることなしに、アトピーのニキビ、吹き出物をケアすることができます。
【参考】
オレイン酸をカットした低刺激石けん
油分が少なく保湿力の高い保湿ジェル
「腸の調子を整えるとアトピーの症状が軽くなる」
ということを良く聞きますが、本当なのでしょうか。
また、本当だとすると、そのメカニズムはいったいどのようなものなのでしょうか。
腸内には腸内細菌といわれる細菌群が100種類、100兆個以上も生息しており、消化を助けたり、体外から進入した病原菌の繁殖を抑えたりしています。
この中には、ビフィズス菌や、ラクトバチルス菌、大腸菌、皮膚常在菌としても生息しているブドウ球菌などが含まれます。
一方、免疫をつかさどる免疫細胞のリンパ球は、60%以上が腸内で作られます。
リンパ球の中には、Th1細胞とTh2細胞というものがあるのですが、この2つは各々が増殖して働きが強くならないように互いに監視しながらバランスを保っています。
ところが、様々な原因によりTh2細胞の働きが強くなると、IgE抗体が作られアレルギーのかゆみや炎症が強くなります。
腸内細菌のうち、ビフィズス菌やラクトバチルス菌は、Th1細胞の数を増やそうとします。
その結果Th2の働きが抑えられ、かゆみや炎症が治まるのです。
しかし、腸内細菌のバランスが崩れ、ビフィズス菌などの数が減ったりすると、Th2の働きが強くなってしまい、アトピーの症状が悪くなってしまいます。
これが、腸の働きを良くすれば、アトピーが軽くなるといわれる理由です。
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「腸の調子が悪くなると、アトピーの症状も悪くなる」その答えを以下の本の中で見つけました。
病気にならない生き方(新谷弘美著 サンマーク出版)
ベストセラーになったので、ご存知の方も多いかも知れませんが、著者は腸の内視鏡を使って、おなかを切らずに大腸ガンやポリープを手術する方法を世界ではじめて発明した医師です。
それによると、今まで30万人の大腸を内視鏡で検査してきた結果、ヨーグルトを常食している人の腸の状態は、悪い場合が多いというのです。
ヨーグルトを食べると、それに含まれる乳糖により、腸内細菌のバランスが崩れるそうです。
また、口から入った乳酸菌は、たとえそれが腸まで届くように加工されていても、自分の腸の中にいる常在菌と異なるため、常在菌によって殺菌されてしまうからとのことです。
そうなると、ヨーグルトを食べても、乳酸菌のサプリメントを飲んでもアトピーの症状を良くすることは、あまり期待できないということになってしまいます。
それでは、腸内の乳酸菌を増やすにはどうずればいいのでしょうか。
それは、単純ですが、常在菌である乳酸菌の量を増やすことです。
そのために新谷医師は以下のような食事法を推奨しています。
●食事の1時間前に350〜500mlほどの水を飲む
●食事の30分前にフルーツを食べる
●植物性の食べ物を85%、動物性の食べ物を15%食べる(野菜中心の食事)
●白米ではなく、玄米に押麦、雑穀などを混ぜたものを食べる
●動物性の食べ物は魚中心
●乳製品は食べない(特に牛乳、ヨーグルト、チーズ、マーガリン)
●一口最低30回以上良く噛んで食べる
私は皮膚炎が出ていたころは、この方法は知らなかったので、アトピーの症状がこれによって劇的によくなるという経験はできていませんが、1年ほど前からこの食事法(ちなみに玄米だけはきついので、白米半分に玄米と五穀米を混ぜています)を始めました。
その結果、皮膚炎が治ってからもずっとひどかった花粉症が、非常に軽くなりました。
実際アレルギーの症状が軽くなったのだと感じています。
また、長年便秘で悩んでいましたが、今は毎朝決まった時間に排便がくるようになりました。
さらに、その後受けた腸の内視鏡検査で、「腸の状態が非常によい」と言われました。
もし、スキンケアだけでは、なかなかアトピーの症状がよくならないという場合は、一度下記の著書を参考に、上記の食事法を試してみてはいかがでしょうか。
病気にならない生き方―ミラクルエンザイムが寿命を決める
(新谷弘美著 サンマーク出版)
胃腸は語る―胃相 腸相からみた健康・長寿法
(新谷弘美著 弘文堂)

という方が多いかと思います。
それもそのはず、花粉の時期は家にいても外にいても、空気中に花粉がびっしり充満していて、その中で生活しなければいけません。
花粉に対してアレルギー陽性の場合は、花粉の皮膚によって、どうしても炎症がひどくなってしまいます。
また、皮膚に花粉が直接付着しなくても、鼻から入った花粉が鼻の粘膜でアレルギー反応を起こすことで、体内のIgE抗体の量も増えるので、皮膚の症状も悪くなってしまいます。
そのため、花粉の皮膚への付着を防ぐだけではなく、鼻からも花粉が入らないようにしっかりと対策をすることが、皮膚の症状を悪化させないために大切になってきます。
●アトピーのための花粉症対策
1.花粉の皮膚への付着をできるだけ減らす
外出時、長袖の服や足を隠す服を着るのはもちろん、顔への花粉の付着を減らすためにマスクやめがねをかけることも有効です。頭皮に症状が出ていれば、帽子をかぶり、頭皮への花粉の付着も減らします。
鼻からの花粉の侵入もしっかり防ぐため、マスクは小鼻のあたりに隙間ができない立体型の大き目のものを使います。
2.外出前にしっかり保湿剤を塗り、外出時に重ね塗りしない
セラミド入りの保湿剤やワセリンベースの保湿剤は、皮膚のバリアを補い、アレルゲンの進入をブロックします。そのため、外出前にしっかり保湿剤を塗ることが大切です。
しかし、外出先で保湿剤を重ね塗りすると、皮膚に付着した花粉を保湿剤と一緒に肌にすり込んでしまい、かゆみが余計にひどくなるので、できるだけ避けます。
どうしても塗る場合は、塗る箇所を水で洗うか、塗れたタオルでふき取って、古い保湿剤と花粉を取り去ってから塗ることをおすすめします。
3.帰宅後はすぐにシャワーを浴びる
これは、花粉の時期ではなくても、私自身、習慣として実行しています。体に付着した花粉は入浴しないと落とすことができません。面倒かもしれませんが、シャワーだけでOKなので、帰宅したらまず最初に体の花粉を洗い流すことをおすすめします。
4.空気清浄機は2〜3倍以上の能力のものを使う
家の中では花粉をしっかりキャッチする空気清浄機をできるだけ24時間フル稼働させます。ここで重要なのでは、6畳の部屋なら、12畳〜18畳用の大き目のものを使い、部屋を閉め切って使うことです。
今はネットショップなどで探すと、一つ前の型のものなどは、とても安く手に入ります。24時間稼動しても電気代はそれほどかかりませんので、最低でも自分の部屋と寝室には設置することをおすすめします。
私も、自分の部屋と寝室に18畳用のものをそれぞれ設置していますが、部屋の中では鼻がムズムズすることも殆どありません。
5.洗濯した衣類を外で干さない
洗濯した衣類を外で干すと、衣類にびっしり花粉が付着してしまいます。
洗濯物を乾かす場合は、乾燥機を使うか、空気清浄機のしっかり効いた部屋で部屋干しすることをおすすめします。
アトピーの花粉対策は、通常の花粉対策のほかに皮膚に対しての対策もしなくてはならないので大変ですが、基本は
「皮膚に花粉を付着させない」
「付着した花粉はできるだけ早く落とす」
の2つですので、面倒ですが、しっかり対策してみてください。私の経験からも、対策するのとしないのでは、皮膚の炎症やかゆみが、かなり違ってくると思います。
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子供の頃ひどいアトピー性皮膚炎だった方でも、大人なるにつれて徐々に皮膚炎が治まるケースがあります。
では、なぜ子供にひどいアトピー性皮膚炎が多いのでしょうか。
その理由はいくつか考えられます。
まず一つ目は、リンパ球過剰によるものです。
アレルギー疾患は、リンパ球という白血球が過剰になることで起こります。
子供は大人よりもリンパ球の数が多いのですが、これは自律神経のうち副交感神経が優位になることによります。
通常は、子供が成長する際にエネルギーを消費することによって、過剰な副交感神経優位状態にならないようバランスが取られています。
しかし、肥満、運動不足、過保護、排気ガス(炭酸ガス)吸入などの原因により副交感神経優位の状態が続くと、リンパ球が増えてアレルギーが引き起こされます。
過保護というと変な感じですが、例えば、子供が泣いているときは交感神経優位になりますが、いつでもすぐにあやして泣き止ませてしまうと、副交感神経優位が継続してしまうことになるとのことです。
つまり、副交感神経優位の子供には、適度にストレスを与えることで、交感神経優位な状態にすることも、アレルギーにならないために重要と考えられます。
2つ目の理由ですが、それは、子供は皮膚のバリアが大人に比べて弱いからです。
子供の皮膚の厚さは大人の半分以下で、皮膚のバリア機能も未発達です。
そのため、大人よりもアレルゲンの接触などによる影響を受けやすいのです。
アトピー性皮膚炎発症の大きな原因は、アレルギー体質と皮膚のバリア機能低下です、この2つの原因を持ち合わせる可能性の高い子供は、大人よりもアトピー性皮膚炎を患う可能性が高いと考えられます。
排気ガスなど避けられない要因もありますが、肥満、運動不足などは生活習慣を見直すことで改善が可能ですので、スキンケア、食物アレルゲン対策とともに対策してみてはいかがでしょうか。
参考文献:自律神経と免疫の法則 体調と免疫のメカニズム 安保徹著
アトピー性皮膚炎の原因は、「アレルギー」と「皮膚のバリア機能の低下」の2つです。
この「バリア機能」は、角質層のセラミド(細胞間脂質)によってアレルゲンや外部刺激の進入を防ぐ、物理的なバリアのことを指しています。
しかし、実は皮膚にはもう一つのバリア機能があります。
それは、「自然免疫によるバリア」です。
自然免疫は植物、動物に限らず、どんな生物も遺伝的に持っている機能です。
自然免疫は、「TLR」とアミノ酸からなる「抗菌ペプチド」という物質が担っています。
具体的には、まず、皮膚に接触した病原菌をTLRが判別し、抗菌ペプチドが菌に入り込み、殺します。
抗菌ペプチドは、アトピーの炎症とかゆみの原因の一つである、「黄色ブドウ球菌」もやっつけます。
通常皮膚に炎症が起き、病原菌が繁殖すると、自然免疫によって、菌をやっつけようとします。
しかし、アトピーの肌は、表皮の角化異常によって、抗菌ペプチドの量が低下しているため、病原菌が繁殖してしまいます。
また、汗をかいて皮膚の塩分が高くなると、抗菌ペプチドの力が弱まるとも言われています。
そのため、アトピーの肌のスキンケアは、汗をかいたらできるだけ早く洗い流し、抗菌作用のある保湿剤などを使うことが、もう一つのバリア機能を補うためにも大切だと考えます。
参考文献:表皮が作る体表面の自然免疫バリア 佐山浩二 炎症と免疫vol14 no4 2006